久々に「グッとくる」ビジネス書に出会った気がします。
ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。
著者の湯澤さんは、世界を飛び回るエリートサラリーマンでした。しかし、お父様がお亡くなりになったのを機に、(やむなく)家業を継ぐ事に。地元では有名な、飲食店をはじめとする店舗を30店以上展開している企業でしたが、なんと借入金が年商の倍、40億円。
そんなパニックを生々しく描き出すトコロからこの本はスタートします。
いやぁ、非常に生々しい。生々しすぎる。
金融機関とのシビアなやりとりや、社内で噴出する問題。そしてご家族との関わり合い等々。ここまで書いて大丈夫かな?と心配になってしまう程の描写が続きます。
実はですね、私も例の大震災で一文無し状態になった過去があります。その際の出来事が走馬灯のように蘇りました。久々に涙しました。
謝罪に明け暮れる日々。金策に走り回る日々。そんな中で生まれて初めて感じた「人のやさしさ」。誰にも会いたくない日々。電話がブルルっと鳴るたびに背中を流れる冷や汗。人を恨んで恨んで恨みつくした日々。ここから飛び降りたら楽になるなぁ・・・なんて思いがよぎった瞬間。奥さんの顔を見た瞬間突然溢れそうになる涙。その時の情景がブワーッと蘇りました。
とまぁ、私の事は置いておいて。
著者の湯澤さんは、その地獄の底から16年の年月をかけ、借入金もほぼ完済。見事に復活され、現在も人気店を16店舗程経営されていらっしゃいます。
ここまでに至る道のりが、本当に生々しく描かれています。
貴方にも今、何らかの悩みがある筈です。人間関係の事、金銭の事、仕事の事等々。そんな時、よく言われるんです。
「目の前の問題に正面から向き合う事が大切だ。逃げちゃダメだ。」
こんな事言うのは簡単なんですよ。でもね、我々人間は弱いんです。わかっちゃいるけど出来ないコトの方が多いんです。
そんな時、この本を読む事をお薦めします。強く。
絶望に直面した時、湯澤さんの「とって来られた行動の全て」が役に立つハズです。安易なポジティブシンキングではなく、生々しい先達の経験。これを入手できるという事は素晴らしい事です。
ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。(Amazon)